【書評】数学読本のレベルや評判・目次は?(受験で使えるのか?)

今回は数学書の中でも人気の高い「数学読本」について感想や使い方などを見ていきます。

高校生にも読めるような優しい語り口調で書かれているので、より深く数学を勉強したい学生や、数学をやり直したい社会人にはオススメの本です。

今回の記事は以下の点についてまとめています。

  • 本の目次や構成、問題数
  • 問題のレベルは?
  • 受験に使えるのかの判定
  • どんな人にこの本が向いているのか?

数学読本の目次・構成について

  • 章番号やページ数は1~6巻の通し番号で書かれています。
  • すべての巻の最後には索引がついています。
    • 索引でのページ数も通し番号になっています。
  • 1~6巻での問題総数は922問
  • 解答のみで解説はなし
    • 簡単な証明問題などは解答が略されています。

本の目次・問題数一覧

内容 各章の問題数 総問題数ページ数
1巻1章:数(実数・整数・平方根)
2章:式の計算(整式の計算・因数分解・展開)
3章:方程式・等式証明
4章:不等式・不等式の証明・集合と論証
1章:20問
2章:21問
3章:49問
4章:41問
131問P1~208
2巻5章:簡単な関数(1次・2次・分数・無理関数)
6章:平面図形と式(数Ⅱの図形と方程式)
7章:指数・対数関数
8章:三角関数
5章:45問
6章:39問
7章:38問
8章:51問
173問P209~418
3巻9章:平面ベクトル
10章:複素数と複素平面
11章:空間図形・空間ベクトル
12章:2次曲線(放物線・楕円・双曲線)
13章:数列・漸化式・数学的帰納法
9章:42問
10章:16問
11章:46問
12章:26問
13章:38問
168問P419~636
4巻14章:数列の極限・無限級数
15章:順列・組合せ
16章:確率・条件付確率
17章:関数の極限と微分法
14章:33問
15章:46問
16章:38問
17章:70問
187問P637~899
5巻18章:微分法の応用
19章:積分法
20章:積分法の応用(面積・体積・曲線の長さ)
21章:行列と行列式
18章:61問
19章:41問
20章:49問
21章:44問
195問P899~1172
6巻22章:線形写像・1次変換
23章:数論(合同式など)
24章:集合論
25章:ε-δ論法
26章:全体を通しての補足・雑録
22章:26問
23章:13問
24章:9問
25章:8問
26章: 12問
68問P1173~1382

6巻26章はエピローグ的な扱いになっており、以下の内容を扱っています。

  • 3次・4次方程式の解法
  • 体の公理・複素数体の構成
  • eやπが無理数であることの証明
  • 確率分布と平均
  • 論理記号「すべて」と「存在」 など

最新版の2018年をもとに書いています。購入の際は出版年にお気を付けください。旧版と表紙が異なるので区別しやすいと思います。

高校数学の単元は以下の記事でまとめています。

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本の構成は?

高校生までの数学を全体を通して基礎から学習できるような作りになっています。

語りかけるような優しい口調で書かれているのでストレスなく読めます。

ただし、公式を暗記するだけではなくその意味や証明を重視しているので、最後まで読み切る粘り強さは必要です。

また、この本はシリーズを通して数学の全体像を理解することを目的に書かれているので、途中の巻だけ利用する際はご注意ください。

理由は、すでに書いたように本のページ番号や章番号はすべて通し番号になっていることです。

索引もその通し番号で書かれているので、調べるときは少し使いづらいかもしれません。

しかし、一部の巻だけ読んでもこの本の読みやすさや丁寧さは十分に実感できると思います。

問題の難易度はどれくらい?

ほぼすべて基本問題です。教科書の章末問題の方が難しいものはたくさんあると思います。

また、解答はありますが解説はないので記述の練習には不向きです。

解答も省略されているものもありますが、それは「簡単だから」という理由と、「テキストにあるほかの証明とよく似ているから」というものです。

高度な思考力が必要なほとんど問題はありません。

独学で数学を丁寧にやり直したい社会人にとってはちょうどいいレベルです。

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数学読本のレベル

学年対応巻備考
中学生1巻1巻にも高校範囲は含まれますが、
数学が得意であれば読めると思います。
高校生理系:1~5巻
文系:1~4巻(微分積分を除く)
数学ⅠAⅡBⅢを明確に分けることはできません。
あくまでも目安と考えてください。
大学生・社会人1~6巻、数学入門大学数学編として数学入門というテキストもあります。
このテキストは後半で紹介しています。

どんな人に向いているの?

  • 数学が得意であり、教科書の内容は余裕な高校生・中学生
  • 大学数学と高校数学のつながりを勉強したい大学生・高校生
  • 独学で数学をやり直したい社会人

一応、中学生や高校生も読めるとは思いますが、すでに教科書・問題集・参考書とたくさん持っていると思います。

それに他の教科もあるので無理はしないようにしましょう。

ただし、「数学が大好きで理系の大学に進学する」という強い意志があれば読んで損はありません。

教科書だけでは学べない一貫した数学を知ることができます。

また、社会人が数学を勉強するときの教科書としてもススメめです。

先ほども書いたように、演習問題も基本問題中心なので基礎の定着にはちょうどいいですね。

ただし、大学受験や数学検定を考えているのであれば以下を参考にしてください。

受験に使えるの?

数学読本だけで大学受験や数学検定を受けることは困難です。

理由は2つです。

  • 問題数が少ない
  • 問題の難易度が低い

受験や検定では応用問題がバンバン出題されます。

それに対応するにはチャート式数学や標準問題精講、上級問題精講などの参考書が必要です。

演習に使える参考書や問題集は以下で紹介してます。

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あたりまえですが、過去問演習も必ず行いましょう。

基本を理解して応用問題を解けるようになったら過去問で出題傾向をつかむのが鉄則ですね。

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本の評判は?

高評価の内容は?

結論:本の内容は高評価!!

テーマが数学なので読む人が限定されているということもあるかもしれないですが、それでもシリーズをとおして高評価になっています。

「社会人の学びなおしに使っている人」「受験の枠を超えた数学の勉強に使っている人」など様々です。

それだけ分かりやすいということでしょう。

低評価の内容は?

「字が薄くて見にくい」「表紙のデザインがダサい」「カバーが取り外せない」などです。

個人的にはこのレビューを見るまで字の薄さは気になりませんでした。

表紙のデザインは好みの問題ですね。買う前に確認できることです。

個人的にはシンプルで好きなデザインです(^^♪

この本はA5サイズのソフトカバーで取り外せるようなカバーはありません。

白いので汚れが気になるようでしたらブックカバーをおススメします。

数学入門について

この数学読本シリーズは高校数学までが中心ですが、その続きの数学入門シリーズがあります。

これは大学数学の内容になっています。

細かな目次は省きますが、1~6巻の内容は以下の通りです。

  • 集合・位相入門1
  • 線形代数入門2
  • 代数系入門3
  • 解析入門上4
  • 解析入門中5
  • 解析入門下6

また、数学入門にはKindle版があるので便利です。

社会人で数学を趣味で勉強しようと考えているのであれば、こういった大学数学レベルを目標にしたいですね。

まとめ

いかがでしたか?

今回は数学読本について感想を書いてみました。

数学はできるけど計算しているようにしか思えないような人にもぜひ読んでもらいたい本です。

計算だけではない理論や背景を知ることができる楽しさを見つけることができます。